It Stoned Me To My Soul (そいつに俺は痺れたんだ)

僕が出会った、素晴らしいもの(主に音楽)を、日々の話題に絡めながら紹介したいと思っています。

ZEPPET STORE - Cue

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・このバンドのメジャーでのファーストアルバムである。My Bloody Balentineのような歪んだギターサウンドに、日本人好みの歌謡曲風味をまぶした感じとでも言おうか。一言で言うと、切なさ全開の一枚である。間違いなく、このバンドでしか出せない音が存在している。青春期に聞きまくったアルバムのひとつである。

・しかし、一部の固定ファンを除いて、このアルバムは音楽好きの話題に上ることはほとんどなく、正当に評価されることはなかったように思う。

・このバンドは、Xジャパンのギタリストであった、故HIDE氏が見いだし、自らのレーベルからデビューさせた、という経緯があったため、ギターバンドが好きな人の耳には届かなかったのかな、と思う。My Bloody Ballentineや、Jesus & Mary chainや、初期のスーパーカーのような音楽を聴く人は、おそらくXジャパンは好まないだろうし、その逆も然りである。

・洋楽全般を特集する内容のムックで、HIDE氏の文章を読んだことがある。音楽全般をHIDE氏が語るというものだったが、非常に驚いたことを覚えている。Xジャパンのサウンドから察するに、好きな音楽はレインボーなどの、メロディアスなハードロックがほとんどなのかと思いきや、彼は何でもござれの雑食家だったのだ。しかも、音楽に対する視点がニュートラルで、アーティストというより評論家のようであった。非常に聡明だと思ったし、音楽に対するリスナーとしての愛情をこの人は失っていないのだな、との印象を受けた。

・そんなHIDE氏が、このバンドを世の中に出したい、と願った気持ちが、僕には痛い程理解出来る。このアルバムが、正当な評価を受けないまま消え去って行くのは、実に悲しい。

・このアルバムの最後を飾る曲は、「奇跡が起きるまで」という。美しく、儚い曲である。このアルバムが、これから一人でも多くの人に届くようになってくれたら。願わくば再評価されるようなことになってくれたら。

・奇跡が起きると、いいな。

  1. 2006/09/05(火) 15:12:11|
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Radiohead - pablo honey

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・レディオヘッドファンの間で、無かったことにされていることが多いアルバム。ただ一曲をのぞいて。

・creep。その一曲の題名である。クズ野郎、といった意味らしい。(記憶が正しければ)確かRolling Stone誌が、「ポリスの『Every Breath You Take』以来のポップソング」と評したこの曲は真の名曲である。言われてみれば『Every Breath You Take』と重なる点は多い。淡々とした演奏、メロディであるにも拘らず、徐々にイマジネーションが喚起される点、爆発的に盛り上がる後半部、そしてひたむきなラブソングであること、などなど。

・しかし、本当に価値があるのは、この一曲だけなのだろうか?他の曲は犬のエサにもならない?

・そんなことはない。ルサンチマン臭のする歌詞、何となくギクシャクした演奏(モタっている訳ではない、むしろ正確)。残酷でいて限りなく優しいその世界観。レディオヘッドそのものではないか。Lurgeeの穏やかで優しいイントロはどうだ。I can'tの主人公が抱えている苦悩はどうだ。Anyone can play the guitarのその底意地の悪さはどうだ。素晴らしいではないか。オブラートに包んでいない分、彼らの感情がストレートに伝わってくる。この時点での彼らは不器用だし、痛々しい。だけど彼らの思いは確かに伝わる。

・このアルバムでトムヨークは何を叫んでいたのか。それは数多のロックバンドの処女作で共通して聞こえてくる叫びである。

・俺の居場所なんてないのさ。〜I don't belong here.(from creep)〜

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  1. 2006/09/04(月) 11:47:14|
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サンボマスター - 新しき日本語ロックの道と光

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・少し、うるさい。スタジオでの爆音演奏を繰り返したり、クラブ、ライブに足繁く通ったりしたおかげで、自分の聴力はかなり落ちている。実際に聴力測定器で測ったことがあるのだが、見事に高音域の聴力が落ちていた。サ行の音が耳障り、と嘆くおじいさん、おられますね。あれは老化により高音域の聴力が落ちているため、かえって高音域の音が耳障りになっているためなのだが、自分もまさにその状態である。ハイハットの音などが、かなり耳につくのだ。なので、最初から最後までディストーション全開、みたいなライブはとてもじゃないけど耐えられない。うるささレベルはジョナサンリッチマン程度が理想。自分もおじいさんになったものだ。

・で、サンボマスター。少し、うるさい。だが心に響く。まず歌詞が良い。「奴ら更にずるさを増して」「汚れちまった哀しみなんて捨てちまえよ」なんて、凡百の青春パンクバンドどもには書けないだろう。だいたいあいつらは無責任だ。むやみにポジティブだが、人生はそんなにうまくいくものではない。逆説的だが、もしもそんなに人生がうまくいくのであれば、ロックミュージックなんて成立しないだろ。で、サンボマスター。系譜から言うと、キヨシローとかその辺のスピリットを持っていると思う。ある面で、すごいまじめな人たちだな、と思う。草は吸うが、タバコの投げ捨てはしないぞ、みたいな。

・だけど、このバンドの本当にすごい点は、その演奏力であると思う。特にフロントマンの山口隆氏。その歌唱はソウルフルですらある。この人、マーヴィンゲイとか、すごくうまく歌えるのでは?Jack Blackみたいに。ギターも妙に黒い。ソウルとかも好きなのだろうか。よく、「ロックに演奏力なんて云々、魂があれば云々」といわれるが、やっぱり演奏うまいに越したことはない。できたら、「この世の果て」のような、音に隙間のある曲ももっとやってほしい。「Let's get it on」のような曲も作れるのではないかな。歌詞は今のままで。そしたら泣くし、ライブも見に行くのだが。ファーストのレパートリーだけだと行く気がしないなあ。

・少し、うるさいからね。

※この文章は、セカンドアルバム発売時に書いたものです。
  1. 2006/08/30(水) 13:02:01|
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Jack Johnson - In Between Dreams

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・この人は、サーファーだそうである。僕は、サーファーがキライだ。筋肉がついてそうだからキライだ。イロッぽい女の人にもてそうだからキライだ。アウトドア派だからキライだ。ええひがみですよ。悪いですか?

・しかし、このアルバムはよい。非常によい。Jack Johnsonという人は、有名になった現在でも、欠かさずサーフィンをしているそうだ。曲を作っているときも、穏やかなビーチを思い浮かべているのであろうか。しかし、インドア派の僕は、このアルバムを聴いていると、日曜日の昼下がりに、一軒家の縁側に佇むチワワを眺めつつ、庭の草木に水やりをしている気分になってくるのだ。

・テンションの高いときにしか、うるさい音楽が聴けなくなってしまった自分にとっては、本当にありがたい音楽だ。アコースティックギターの音色とは、なんと良いのだろう。彼の声は、なんと優しいのだろう。

・つまらない事で意地を張って損をしているあなた。けんかの後、もう怒っていないのにごめんなさいの一言が言えないあなた。このアルバムを聴きなされ。僕はこのアルバムを聴いて、人に優しくなれる気がしたですよ。ほんの一瞬だけど。

・ちなみに、一軒家も、チワワも、庭も、草木も、僕の手元にはありません。


  1. 2006/08/27(日) 23:05:39|
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吉田拓郎 - LIVE’73

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・僕はフォークに良いイメージを持っていない。フォークといって連想するのは、四畳半、銭湯、親のすねをかじって生活している癖に大人をけなすことだけは一丁前の奴ら、といったイメージである。まあ、多分に色眼鏡も入った見方ではあると思うが。

・で、吉田拓郎である。彼は確か(日本の)フォークの神様と言われていたはずだ。僕の彼のイメージは、歌詞は確かに良いが、サウンドといえばコードをじゃかじゃか鳴らすだけで、エレキギターを掴む前のボブディラン的音楽で留まった人、というものであった。

・その偏見はこのライブアルバムを聴いて完全に覆されることとなった。のっけから(M1.春だったね)、怒濤の演奏である。オリジナルはディランのLike a rolling stoneのように、オルガンが主体のアレンジだが、このヴァージョンは趣が全く異なる。まず、ホーン隊がいる。そしてリードギター(高中正義らしい)がとても良い。大変ラフで、勢いのまま手癖で弾きなぐったという感じである。この歌の歌詞のヤケクソ感とぴったりリンクしていると思う。

・M3(君去りし後)もいい。女性コーラスがなんだかかわいい。草野マサムネが唄っても良さそうな曲だ。

・ハイライトはM7(落陽)だろう。この曲に関しては何も言うことはない。素晴らしい曲、素晴らしいアレンジ、素晴らしい歌唱。彼の才能、バックバンドの技量に感服するのみ。

・でも僕は、春だったね、と君去りし後、が好きだ。青春の気恥ずかしさ、勘違いといったものをうまく表現していると思う。未だに僕は恥ずかしい人だし、勘違いも甚だしい。こういった曲を聴いて「ああ、昔の自分を思い出すなあ、懐かしや懐かしや。フォッフォッフォ。」等と言って微笑する境地に達したいものだ、一刻も早く。

・まあ、無理だろうな。

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  1. 2006/08/26(土) 11:59:49|
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東京60watts-すべてのバカモノへ

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・インディーズ時代、主に東京のライブハウスで活動していた頃のアルバム。テレビ東京系列で放送されているカウントダウン形式の音楽番組で、こ のバンドが紹介されているのを見て、気に入ったので購入した。

・結論から言うと、素晴らしいアルバムである。大体において、メッセージ性の強いバンドは、日本語がメロディーに乗りにくいこと、また「そうい うタイプの」アーティストは音楽的に不自由であることが多いため、音楽性がある程度犠牲になる場合が多いが、このバンドはその公式から逃れることに成功し ている。ヴォーカルの大川氏は音楽的には不器用なミュージシャンであると思うが、バックのミュージシャンが素晴らしい。特にキーボードの杉浦琢雄が凄い。 まるでニッキーホプキンスさながらである。ロックバンドのキーボーディストは、クラシック上がり(転落?)のテクニックはあるがラフさが足りない、もしく はバンドを始めてからキーボードを始めたというラフさはあるがテクニックはない、といった2種類がほとんどだが、彼は両者のいい面を併せ持っているキー ボーディストである。

・このバンドは、素晴らしいバンドだが、ひょっとすると売れないかもしれない。アルバム2枚出して解散なんてことになるかもしれない。けれど も、大川氏はソロでも十分やっていけるだろうし、杉浦氏はスタジオミュージシャンとして引っ張りだこになるのではないだろうか。
吉祥寺あたりに住んでいて、アナログ盤を100枚以上持っていて、今ではあまり聴かないがブルーハーツの歌詞を覚えていて、ある程度おしゃれ で、女の子にもてない訳ではない。(派手めなJJ系の女の子を連れ回しているような)ホスト系の男を軽蔑しつつ、内心その人たちを羨ましがってい るような、そんな男子。そういった、いつの時代にも一定数存在するような男子なら、このバンドの良さが解るだろう。

俺が落ちこぼれたら金を貸してくれよ
あたりさわりのない歌で売れたクズミュージシャンよ
俺がスターになったら金を貸してやるよ
ヒットチャートを金で買い取るレコード会社よ
俺がスターになっても忘れはしないよ
ライブハウスで出会った人たちを
俺がスターになっても決して忘れないよ
俺を愛するすべてのバカモノたちよ
(M6.〜すべてのバカモノたちへ〜より)

※この文章は、東京60wattsがメジャーデビューした直後に書いたものです。
現在はインディーズで活動しているようです。
また、大手レコード会社より、ほぼ同内容のCDが出ています。こちらの方が入手しやすいかも。
こちらも紹介しておきます。




  1. 2006/08/25(金) 09:31:09|
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Jackson Browne - Running on empty

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・様々な音源を聞いていると、どう考えても魔法がかかっているとしか思えないものに出会う事がある。このアルバムの最後を飾る、The Load-out,Stayの2曲のメドレーは、まさにそういったものの一つである。前者はJacksonオリジナル、後者はオールディーズの替え歌である。ツアーの過酷さ、孤独さ、そしてステージの何物にも代え難き素晴らしさを歌にしたものである。ジャクソンの弾き語りから曲は始まっていき、そして徐々に高揚をみせる。
〜照明がつき、観客のざわめきが耳に入ったとき、僕は何故ここに来たのかを思い出す〜

・こうジャクソンが唄った直後、第一の魔法がかかる。なりを潜めていたドラム、ベースが一斉に演奏に加わり、この曲は第二幕へと向かうのだ。静寂の空気を切り裂くようなスネアドラムが加わった瞬間、僕ははっきりと感じることが出来る。ジャクソンブラウンという人間の人となりを。ジャクソンブラウンという人間の苦しみを。ジャクソンブラウンという人間の哀しみを。

〜あなた達がこの町で明日の朝を迎えるとき、僕たちは数百マイルの彼方にいるでしょう〜

・だから、もう少しそばにいてください。と、ジャクソンは唄い、'stay'へと続く。ジャクソンが'people stay〜'と唄い始めた瞬間、この曲に第2の魔法がかかる。ここからラストまで、幸福な高揚感が持続する。この間、いつも僕はこの世界に生きているのだ、という実感を得る。

・僕はジャクソンのライブを大阪で見たことがあり、生でこの曲を聴くことが出来た。だが、この盤を上回る感動を得ることは出来なかった。不思議な高揚感を感じることもなかった。やはりそうだ。このレコードの、この曲には。

・魔法がかかっているのだ。





  1. 2006/08/24(木) 23:54:21|
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ごあいさつ

はじめまして。

日々生きていく過程で出会った素晴らしい作品を、
みなさんに紹介していきたいと考えています。

皆さんの今後の人生に、多少なりとも影響を及ぼすような、
素晴らしい作品と、みなさんとの仲立ちが出来たらいいな。

そういった気持ちで、はじめます。

よろしくお願いします。

  1. 2006/08/23(水) 09:57:55|
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